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2005年8月18日 (木)

インド駐在日記:デリーの牛はどこからきたの?

ニューデリーからお届けしているマカイバリ紅茶のブログ。
今日は、昨日お届けした”牛排除作戦”の続きをお届けいたしましょう。

さあ、今回の大作戦の主人公である、約3万頭とも言われるデリーの”牛”。この牛たちは一体どこからやってきたのでしょうか。

ニューデリーの牛

実はこの牛たち、大きく2つに分類されます。「飼い牛」と「元飼い牛」。
飼い牛なのにニューデリーの道路で昼寝!?

そうなのです。この「飼い牛」、簡単に言ってしまうと「放し飼い」なのです。飼い主にとって、牛に与える餌は大きな出費。ふと目を外に向けると、「Green Delhi」とうたうデリーには、牛の餌となる草が道路の中央分離帯や、住宅街に植わっています。それに、神聖なる牛に、餌を与えてくれたり、花輪を掛けてくれる信仰深い人もいます。「放し飼い」の条件が整っている上に、今まで今回ほどの排除作戦はなかったため、飼い主が牛を自由に放し飼いさせていたのです。

そして「元飼い牛」ですが、飼い主にとって牛はペットではなく、大切な収入源です。その価値がなくなった牛、例えばミルクが出なくなったり年老いた牛、は飼い主にとってもう必要ないのです。殺すことはできませんので、要は道に捨ててしまうのです。でも、上記のように牛は生きていけますので、「元飼い牛=野良牛」の数は減らないのでしょう。


インドの人にとって、牛は神聖なるものだけでなく、一部の人にとっては生活していく上で大変重要な役割を果たします。雄牛は荷車を引いたり、農作業においては農機具を引く力仕事をします。また雌牛は、人々の大切な栄養源となるミルクを作り、そして新たな財産となる子牛を生みます。そして何と言っても、牛糞は肥料にも燃料にもなるのです。マカイバリ茶園でも牛は大切にされ、牛からもたらされた副産物によって、人々の生活が劇的に変わったことは証明されています。


さて、今日(2005年8月18日)付けの新聞紙 The Times of India には、デリーを賑わせた”牛排除作戦”の途中経過が報告されています。最高裁判所によって下された今回の”牛排除作戦”に対し、デリー市局は、「野良牛の数を削減する、という当初の目的が、市民の賞金獲得へと変わってしまっている。それに、一般の市民が牛を捕まえることは大変危険な行為である。また、なぜ南デリーだけが捕獲の対象地域なのか」と、今回の大作戦に完全に否定の構えです。

「南デリー」、この地域は外国人が多く住む地域なのです。これだけからも、今回の作戦の意図に「近代化を目指すインド」が象徴されています。

そして、賞金獲得者ですが、残念ながらまだなのです。捕獲された238頭の内、7頭が市民によって捕獲され、デリー市局は彼らに”牛を受けとった”という受領証を発行したようですが、これらの牛が指定された地域から捕獲されたことが断定されるまでは、奨励金は渡さないそうです。


今回の排除作戦が開始されてから、我が家の近所ではめっきり牛がいなくなりました。今まで必ずいた場所にも牛の姿はなく、ブログ用の写真が撮れずに結構苦労しました。いつもいた牛が急にいなくなると寂しくなるもので、ニューデリーなのにニューデリーではないように感じていました。

戻って来た牛

でも、もう大丈夫です。牛たちは再び街に帰ってきました。きっと飼い主たちが捕獲されるのを恐れて放し飼いをやめていたのでしょう。しかし新聞などで、「飼い牛」は捕獲されないことを知ると、安心して再び「放し飼い」を始めたのです。

おや、今回の大作戦は成功しているのでしょうか・・・?



マカイバリ紅茶専門店:マカイバリジャパンのホームページ

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コメント

はじめまして!きれいな写真と、インドの話、とても楽しく読ませてもらいました。
私は、去年まで、2年間イギリスの小さな島に住んでました。そこで普通のティーバッグの紅茶でもおいしく感じ、何が違うのだろうと帰国後、日本の紅茶教室に通って勉強しました。
学ぶうちに紅茶とイギリスとインドの関係なども知り、今はインドに興味シンシンです。
先月からは、シンガポールに引っ越してきたので、インドが近くなり、ぜひ今度旅行に行きたいと思ってます。できれば茶園にも☆彡
そんなわけで、このブログでインドのこと、紅茶のことを読めると思うと、すごくうれしくてコメントしました。毎日楽しみにしてますので、どうぞよろしく!

投稿: kaoru | 2005年8月18日 (木) 22時07分

紅茶が大好きで、記事はたびたび拝見していましたが、初めてコメントさせていただきます。私は東京在住の女性で、事務秘書をしている者です。実は、野良牛のこの一件について、訳あって、その後の現状について、詳細を調べております。
『(2005年8月18日)付けの新聞紙 The Times of India に、デリーを賑わせた”牛排除作戦”の途中経過が報告』とのことですが、この記事全文を読めるサイトなど、ご存知でしたら、教えていただけますでしょうか。その後の奨励金の獲得者の有無についても、詳細を知りたく、お判りになる範囲でかまいませんので、教えていただけましたら幸いです。
突然のお願いごとで恐縮です、ご無礼お許しください。

投稿: Yukko | 2005年9月20日 (火) 09時34分

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