インド:第3回ダージリン白内障キャンプ無事に終了
インド・ニューデリーからお届けしているマカイバリ紅茶のブログ。
無事に「第3回ダージリン白内障キャンプ」が終了し、ニューデリーに戻ってきました。
今回のキャンプは昨年とは一変し、大きなトラブルも無く、さらには「技術移転」という大きなゴールへ一歩進むことができ、実り多きキャンプだったと思います。
マカイバリ紅茶のファンでいらっしゃる、埼玉医科大学眼科学教室 主任教授・米谷 新(よねや・しん)先生と、13社の企業の皆様によって始められた「ダージリン白内障キャンプ」。2003年のクリスマスから始まったキャンプは、回を重ねるごとに手術希望者の数が増え、ダージリンだけでなく周辺地域からも希望者が集まるようになりました。
今年の手術希望者は547人。
「資金的に手術を受ける機会に恵まれなかった人」、「地元の人」そして「手術の難度の高い人」に優先権を与え、今年は29人が手術を受けることになりました。マカイバリ茶園からは5人が選ばれました。
白内障キャンプの舞台であるインド政府系病院の「カーシオン病院」。
患者さんは手術前日に入院、診察を受け、翌日手術、翌々日に術後診察を受け退院となります。
手術は日本アルコン株式会社の皆様から寄付された「水晶体超音波器械」と、カール ツァイス株式会社の皆様から寄付された「手術用顕微鏡」を使って行われます。白く濁り、固くなった水晶体を超音波で砕いて吸引するのです。
しかし、547人中の29人。約20倍の難関を突破した人々の白内障は並大抵ではありません。横綱級です。
日本ではほとんどの人が白内障の初期に手術を受けるため、約20分ほどで手術が終了しますが、こちらは白内障の末期。固くカタクなった水晶体は、ちょっとやそっとでは砕けず、さらには吸引チューブが詰まってしまうほど。一人平均40分かけて手術を行うことになりました。
ほぼ失明状態で手術台に乗った40分後、白く濁った水晶体は澄んだ色に戻り、新しいレンズを挿入された瞳には新たな息吹が与えられます。手術が終わり、眼帯で眼を覆われるまでのほんの少しの時間、患者さんは再び見ることのできた世界をしっかりと確かめるかのように、手術室の様子を見ていました。
つづく・・・。
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