2020年南インド出張 (コーヒー農園訪問 ③)
ポアブスコーヒー農園ではコーヒーの製造過程をすべて見せてもらいました。
コーヒーの実をとった後はすぐに精製過程にはいります。紅茶と同じです。
コーヒーの場合には精製方法には大きく分けて2つあり、一つは水を使わずに乾燥させて脱穀する「ナチュラル(乾燥式)」と、もう一つは水を使って果肉とミューシレージ(ぬめりや糖分)を取り除いて脱穀する「ウォッシュド(水洗式)」です。
今回はウォッシュド(水洗式)をみせてもらいました。
(コーヒーの実は完熟して赤くなり、コーヒーチェリーとよばれます)
こちらがコーヒーチェリーを精製する場所です。
最初の工程はコーヒーチェリーを水の中にいれます。時間がたつと完熟していないチェリーは浮いてくるので、それは取り除きます。浮いてきたチェリーの果肉をむくと、2つの豆のうち1つが腐っていたりしています。傷んでいない豆は精製の工程に入ります。
水に沈んだチェリーは次の工程であるパルピング(果肉を取り除く)にはいります。こちらがパルパーの機械です。
すごいスピードで赤い果肉が取り除かれていきます。
果肉がとれてでてきた豆は周りにぬるぬとしたミューシレージがついています。
これを発酵槽といわれる水槽に一晩つけてミューシレージを除去します。このミューシレージを取り除くことによって味にキレやフルーティーな香りがでると言われています。
発酵が終わると乾燥の工程です。広大な敷地で、今の時期は快晴の日が多いので雨にあたることなく十分に天日干しで乾燥をさせることができます。
ちなみにこちらに干されているのが、ナチュラル方式のチェリーです。水洗式の工程を行わずに、乾燥の後に脱穀機にかけます。
ナチュラル方式はウォッシュド方式に比べて、複雑味や甘味がでるそうです。コーヒーの果肉の成分が豆にでるためです。
最後の工程が脱穀です。ここでパーチメント(内果皮)を取り除き、出荷されます。この日は機械は動いていませんでした。出荷直前に機械を動かすそうです。
こちらが出荷される状態の豆です。この状態で日本に届く予定です。
紅茶とはまた違う製造工程を見せてもらい、とても勉強になりました。1杯のコーヒーが多くの人々の手、そして様々な工程を経て日本に届いていることを改めて知りました。
そして何よりも驚いたのはコーヒーの精製には多くの水を使うことです。1kgのコーヒーをつくるのに10リットルの水を使うということに驚きました。
ポアブスコーヒー農園は山岳地帯にあり、地下の天然水が十分にあります。この水を循環してコーヒーをつくっています。
敷地内に湖がたくさんありました。環境に負荷を与えずにサステイナブルなコーヒー栽培をしていることに改めて感銘をうけました。
こちらが今回、色々とお世話になったアルー(農園のコーヒー担当マネージャー)さん、プラカッシュ(本社にいる貿易担当)さん、フィールドマネージャーの男性です。