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2021年6月 3日 (木)

密かな自転車ブーム、インドの大気汚染

インド・ニューデリーからお届けしているマカイバリジャパンの「インド駐在ブログ」。


今日、6月3日は世界自転車デーです。自転車は日本人にとって大変馴染み深い乗り物ですが、インドでは全ての人にとって日常の乗り物ではなく、もしかすると自転車に乗ったことが無い人が人口の半分くらいいるのではないでしょうか。その背景には男性が乗る乗り物*という認識があったり、メンテナンスの行き届いた舗装された道が少なかったり、灼熱の夏が長かったり、車の往来が激しかったり、ととにかく自転車が「お金のかからない移動手段」以上にスポットライトをあてられることは、ほぼありませんでした。
*農村部では女性も自転車に乗っていることがありますが極少数派。また都市部では自転車サークルがありますが、日本ほど活発ではありません。


しかし昨年3月25日から約3ヶ月続いたインド全土でのロックダウンでは、全ての公共交通機関がストップしました。自家用車を持ち、且つ自分で運転できる人は問題ありませんでしたが、運転手任せだった家庭は運転手が公共交通機関が無く通って来られなかった為、大変苦労しました。


そこでスポットライトが当たったのが自転車でした。デリーでは、ロックダウンが明け自転車屋が再開すると、中流から上流階級の人たちが、近場のマーケットまでスポーティーな新しい自転車で買い物に出かける姿を頻繁に見るようになりました。ただ季節がら灼熱の夏に差し掛かっていたため、そのスポーティーな自転車は買い物のためから、早朝のサイクリングのためへと目的を変えていきました。また、ロックダウンによって深刻だった大気汚染が一気に正常値になり、そのこともサイクリング人気を加速させました。


私が住んでいる地域でも、朝夕になるとサイクリングを楽しんでいる人々(約10人ほど)を毎日見かけます。コロナ以前は皆無でした。もちろん、この人たちがロックダウン時に移動手段として自転車を買ったかは分かりませんが、ロックダウン後、デリーにはおしゃれな自転屋が新規開店したり、デザインに幅が出てきたり、とデリーの人々にとって自転車がもっと身近な存在になったのは確かだと思います。


ちなみに「おしゃれな自転車」は、「マウンテンバイク」タイプ。日本のような機能的な「ママチャリ」タイプは見かけません。


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おしゃれな自転車


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一般的な自転車。鉄の塊のように重い。

 

:::余談:::
NCR(首都圏:デリー、グルガオン、ノイダ)で生活する人々にとって、大気汚染は深刻な問題でした。特にモンスーン(雨季)が明けた9月〜3月まではまとまった雨が殆ど降りません。セカンドサマーの終わり(10月頃)に、NCR近郊で焼畑農業が行われ、その煙がNCR全体を覆います。その時は日中でも景色が赤茶色くかすんでいて、煙が雲を作り街全体を覆ってしまい、排気ガスや近場の工場からの煙が空へ逃げていかず、空気が排気ガス臭く、なんとなく味もします。


それに輪をかけて北インド最大のヒンズー教のお祭りディワリ(光と音のお祭り)が訪れます。その日は至る所で打ち上げ花火。汚染値は観測器の針を振り切り観測不能になります。そしてそのまま結婚式シーズンに突入し、連日打ち上げ花火と爆竹の日々。大気汚染が分厚い雲で街を覆い、地上では花火やら爆竹やら車の排気ガスやらで、大気汚染の負の連鎖が約5ヶ月続くのです。


2015年の冬は特に汚染が激しく、私も軽い気管支炎になりました。会話をしていると前触れもなく咳が始まり止まりません。夜中は咳で起こされ何時間も咳が続くのです。幸いなことに、アーユルベーダの鼻洗いと徹底したマスク装着で回復しましたが、気管支炎は数ヶ月も続きました。ここ数年は(特に日本人駐在員の間では)、冬と言えばマスク(N95)、が当たり前になっていて、あのマスク嫌いのインドの人たちでもマスクを装着している人を多く見かけました。


昨年コロナが始まった時、日本から大量に持ってきていたN95のマスクが役立ったのを覚えています。そして営業で満員電車に乗らなくてはならない日本の姉に、インドからN95のマスクを送ったことも。


コロナで世の中は大変な世界になってしまったけれど、デリーがロックダウンになる度に、透き通った青い空を見上げています。

030620213


ニューデリーより。

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