インド・マンゴー農園訪問記【4】サハランプール検疫所
6年前の平成18年6月23日に日本農林水産省はインド産マンゴウの生果実の輸入解禁を発表しました。蒸熱処理(飽和蒸気を利用し、生果実の中心温度を47.5℃以上で20分間加温することにより害虫を殺す処理)の日本製の機械をインドが購入し、日本の植物検疫官がインドで最終チェックをすることが条件です。
インド全体で8箇所に蒸熱処理場があり、今回はデリーから北へ150キロのサハランプール(Saharanpur)という街にある蒸熱処理場に日本の検疫官が来ています。インドでの管轄はAPEDA(Agricultural and Processed food products Export Development Authority)日本の農水省になります。チョウサ種農園から車で3時間のこAPEDA(アペダ)蒸熱処理場に、今日摘み取りされていたマリカ種マンゴーが届くことになっています。
3)夜になってマリカ種農園から今朝摘み取りをしたマンゴーがトラックで運ばれてきました。
7)蒸熱処理の機械に入れるためきれいに並べて準備をしています。
14)蒸熱処理が終了したマンゴーを日本の検疫官とインドの検疫官が最終チェックをしています。タンソ病などの病気がないか調べています。
15)インドの検疫官も最終チェックです。傷があったりすると許可がでません。
16)合格になると箱につめられてデリー空港にトラックで運ばれて日本へ飛行機で運ばれます。日本行きの箱が準備されていました。日本行きの飛行機も予約済みです。
日本の成田空港では、農薬チェックをされて国の基準以上の農薬が出なければ市場販売がOKになります。
インドに日本から植物検疫官が来てくれるおかげで成田での薫上が省かれるので、有機栽培で届いたマンゴーは有機栽培として日本市場で販売できます。
インドには1000種類以上のマンゴーがありますが、日本への輸入許可がでているのは次の6種類のみです。
・アルフォンソ種 ・ケサー種 ・チョウサ種 ・バンガンパリ種 ・マリカ種 ・ラングラ種
インドのマンゴーは日本ではまだ知名度が低いですが、インドでは4000年以上前から栽培が始まっており、仏教の経典にもその名が見られます。10世紀にペルシャ人によってインドから東アフリカに伝わり、そこから西アフリカ、ブラジル、バミューダ、そして19世紀にはフロリダにまで栽培地域は広まったそうです。東南アジアには15世紀にインドから広まりました。
世界のマンゴーの生産量の60%(1000万トン)がインドで生産されています!インドではマンゴーが野生に育ち世界のマンゴーの源でもあります。マンゴーの植物名はMANGIFERA INDICA(インド)です。
今年はインドからのマンゴー輸入は今回だけです。もっともっとビジネスとしての条件が確立し、政府間の交渉が密になって美味しいインドのマンゴーが日本でも多くの人が楽しめる環境になってほしいと願っています。
【了】
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)